【プロデューサーノート②】舞台版ハコオンナのあらすじに原作のストーリーを添えて

いよいよ「舞台版ハコオンナ」の本番まで2週間少々となってきて(マジですか!)、各セクションとの打ち合わせが並行しているプロデューサーの酒井りゅうのすけです。

そんな中、うっかり公式サイトにあらすじを掲載するのを忘れているというミスが発覚しました。本当にすいません。慌てて「あらすじ」ページを作りましたが、こちらにも記載させていただきます。

【あらすじ】

とある山間にぽつりと佇む古い洋館。

日中にもかかわらずどこか薄暗い雰囲気に包まれているのは、辺りに鬱蒼と生い茂る木々の陰に建っているせいだけとは思えない。

大学で文化人類学の研究員として勤める「杉浦洋太(スギウラヨウタ)」は、
同じ大学の社会心理学研究員「設楽優樹芽(シタラウズメ)」と共に、
サークルのOBである映画監督「九館 蓮司(クダテ レンジ)」が製作するモキュメンタリー映画への出演協力を頼まれて、その洋館へとやってきた。

そこはロケーションアドバイザーの不動産屋「御厨 柚良(ミクリヤ ユラ」いわく、二十年ほど昔、連続殺人犯が住んでいたという噂があるらしい。

監督の連れてきた怪しげな霊媒師「紅月 十三夜(アカツキ トミヨ)」が厄除けの祈祷を行った後、映画の撮影がスタートしたのだが、それは恐ろしい惨劇の始まりでもあった…

少しでも物語の雰囲気を掴んでいただければ思います。

そして原作となったボードゲーム「ハコオンナ」にも、もちろんストーリーは用意されています。

■ 箱女用ストーリー ■

この家に来た時、家族は4人だった。
ある日、弟とママがいなくなった。
パパは笑顔で、2人は出て行ったと言った。

私もママのところへ行きたいと言った。できなくされた。
ずっとここから出ないと約束したら、パパはいつもの笑顔になった。

それからずっと、パパと2人だ。
寂しいと言ったら、パパはお人形をくれた。
はじめてのおともだちだ。おとなしくいい子にしていたら、
もっとともだちを連れて来てくれると、パパが約束してくれた。

食事は、パパが獲ってきたものを食べた。食事は好き。
食事の時、パパはいつも上機嫌で、獲ってきた獲物の話をしてくれる。

ある日、外がとてもさわがしくなって、たくさんの人が家に入ってきた。
パパはとてもあわてて、私を抱え上げて、小さな箱に入れようとした。
無理だよ、入らないと言ったけど、パパは聞いてくれなくて、何度も、
何度も、強く私を箱の奥に押し込んだ。

身体のあちこちが音を立てて、おかしな向きに曲がった。
喉の奥から温かいものがあふれてきた。痛くて、苦しくて、息もできなくなった。
怒ったパパの声がして、いろいろな音がして、それから外は静かになった。
ここから出してとパパを呼んだけど、パパも、誰も、来てくれなかった。

あれからとても、とても長い時間がたった。
私は一人ぼっちになってしまったけれど、実はあまり寂しくはない。
パパの言ったとおり、おとなしくいい子にしていると、
たまに、ともだちが遊びに来てくれるのだ。

私はともだちと、少し変わったかくれんぼをして遊ぶ。隠れている私が、鬼だ。
飽きたら、お食事会をする。パパが作ってくれたのと同じ料理を食べる。
食べ終わったら、ともだちを待つ。

ここでいい子にしていれば、また新しいともだちが遊びに来てくれる。

■ 訪問者用ストーリー ■
君達は、山道をドライブ中にこの館を見つけた。

立ち込める濃霧の中、何度も道を違えているうちに日まで暮れ、
ゆっくりと車を徐行させていたその先に、洋館が姿を表したのだ。

その窓ひとつない古い館を見た同乗者は一様に絶句した。
なぜならその館の様相が、さっきまで暇つぶしにスマートフォンで見ていた
ホラー系サイトの話に出てくる建物にあまりにも酷似していたから。

入ってみよう。霧が晴れるまでの時間潰しに丁度いい。
乾いた笑いと共にそう言ったのは誰だっただろうか。
君達は、少女が待つ洋館に足を踏み入れた。

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原作のストーリーはあくまでもボードゲームをプレイする上での設定ストーリーとなりますが、「舞台版ハコオンナ」もこのストーリーがベースになっている部分は多数登場します。もちろんボードゲーム版を知らない方でも1本の物語として楽しんでいただける様な内容です。

ボードゲーム版のストーリーも読んでいただいた皆様は、ここからどの様な物語が紡ぎ出されるのか是非、劇場でご覧ください。