【プロデューサーノート③】制約と誓約。制約SIDE・恐怖の度合いの話。

作・演出の榎原伊知良さんと「舞台版ハコオンナ」の演出プランについてのミーティングを行いました。この日の議題は「ホラー演出の度合い」についてです。

当然すでに台本的には物語は完成しており、稽古場も立ち稽古へと進んでおります。しかし「ホラー演出」という部分は台本に書かれている物語的な怖さとは別に、演出システムによる怖さをどれだけ追加するかで変わってくると思っております。

例えばホラー映画等を思い出していただければ、BGMや効果音で緊張感を高めたり、突然の大きな音でビックリさせつつ画面を切り替える事で恐怖を作り出したりというホラー映画あるある的なシステムがあるかと思います。

今回の「舞台版ハコオンナ」で、どれだけこういった「ホラー演出」と言われるシステムを導入するかを最終決定するのが今回のミーティングでした。

結論から言うと、極力減らしていこうという形になり、
「ホラー作品だけど、ホラーが苦手な方でも(割と)見れる物語重視な演出。」という演出コンセプトにたどり着きました。

お盆にお寺でホラー作品をという事で、全力で怖いものとなる作品を作る事もかんがえていたのですが、台本自体の物語もとてもしっかりしており、榎原節という感じの榎原伊知良だからこそという作品性もしっかりと出ているストーリー作品となっており、この作品を「ホラーが苦手だから」というだけの理由で見ていただけないのは残念だと考えました。(実際、身近な方からもホラーは苦手と言われてしまい。)

もちろん全く怖い作品ではないという事ではないですが、極力ストーリーと関係の無い恐怖を追求する為の演出をなくそうというイメージです。(恐怖の度合いは人それだと思いますので、それでも怖いと感じられてしまう事も有るかもしれません。)

マイルドなホラー作品として完成を目指していく「舞台版ハコオンナ」。
ホラー要素以上に、人間ドラマ、物語や人物や設定等にまつわる謎、原作とのリンク、キャラクターとして生きる演者の魅力など見所満載な作品に仕上げていきます!
観劇三昧手のひらフェスティバル2017で総合優勝をする榎原伊知良の作り上げる物語を是非お楽しみください。

#本格ホラー作品として「舞台版ハコオンナ」を楽しみにしてくださっている方には、ホラー演出を減らしてしまい申し訳ございません。しっかりとホラー要素を盛り込んだ「ハコオンナ」につきましては別途企画の準備中です。今しばらく情報をお待ち下さい。

*「観劇三昧手のひらフェスティバル」とは
観劇動画配信アプリ「観劇三昧」が主催したweb上の観劇フェスティバルです。
2017年2月に開催され、全81作品中、榎原伊知良が作・演出を担当したTHE黒帯「TRUCE」が総合グランプリに選ばれました。

観劇三昧手のひらフェスティバル2017大賞発表ページ
http://kan-geki.com/lp/kan_fes2017/awards_list.php